最も身近で効率的な脱炭素エネルギー

バイオマス熱利用とは、木質チップやペレットなどの生物由来の資源(バイオマス)を燃焼させ、そこから得られる「熱」を暖房や給湯、工場の蒸気などとして直接利用する仕組みです。
日本の豊かな森林資源を活かし、化石燃料(重油やガス)に代わるクリーンな熱エネルギーとして、いま全国の自治体や企業で導入が進んでいます。

なぜ「発電」ではなく「熱利用」なのか?

再生可能エネルギーとして「バイオマス発電」を思い浮かべる方も多いですが、実は「熱」として直接使うほうが、エネルギーの無駄が圧倒的に少ないという特徴があります。

エネルギー効率の圧倒的な違い

バイオマスを燃やして電気を作る「発電」の場合、エネルギーの変換効率は約20%〜30%に留まり、残りの大部分の熱は捨てられてしまいます。

一方、ボイラーで「熱(温水や蒸気)」として直接利用する場合、エネルギー効率は約80%〜90%に達します。木が持つエネルギーを余すことなく使い切ることができる、極めてエコな利用方法です。

バイオマス熱利用の3大メリット

バイオマス熱の導入は、環境面だけでなく、経済や地域社会にも大きな恩恵をもたらします。

① 確実なカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)

植物は成長の過程で大気中のCO2を吸収しています。そのため、木質燃料を燃やしてCO2が発生しても、大気全体のCO2は増えないという「カーボンニュートラル」の特性を持っています。化石燃料からバイオマス熱に切り替えるだけで、施設のCO2排出量を大幅に削減できます。

② 地域の経済循環

これまで海外から輸入する石油やガスに支払っていた燃料費を、地域の森林組合や木材事業者に支払う「地元の木質燃料」に変えることができます。エネルギー代金が地域内で循環するため、地元の林業の活性化や、新しい雇用の創出につながります。

③ 燃料価格の安定

世界の情勢によって価格が激しく乱高下する化石燃料に比べ、地域で採れる木質燃料は価格が安定しています。長期的なコストの見通しが立てやすく、企業の経営や自治体の施設運営に安心をもたらします。

主な燃料の種類

木質チップ

  • 原木や端材を細かく破砕したもの。主に大型のボイラー(工場や温浴施設、大規模ビニールハウスなど)で使われます。

木質ペレット

  • 乾燥させた木粉を小さな円柱状に固めたもの。品質が均一で扱いやすく、中小型ボイラーや、家庭・オフィスのペレットストーブで使われます。

薪(まき)

  • 古くから使われている最もシンプルな燃料。薪ストーブや、一部の地域熱供給施設などで活躍しています。

どんな場所で使われているの?

  • 農業利用 トマト、いちご、きのこ等のハウス栽培、
  • 製材分野利用 木材乾燥
  • 温水加熱 
  • 温水加熱 温浴施設、温水プール
  • 公共施設 市町村庁舎、学校、福祉施設、介護施設などの暖房、給湯
  • 地域熱供給 集合住宅、地域への熱供給

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